みーず計画

 

日本水環境学会関東支部では、平成23年度から、支部活動の一環として理系分野でのキャリアを目指す女性のための「みーず計画」に取り組んでいます 。

水環境学会においても、正会員のうち女性がしめる割合は約1割にすぎず、水環境に関する女性研究者や女性技術者はいまだに少ないといえます。女性が社会に出て働くことは当たり前になったものの、指導的地位に立つ女性の割合は国際的に見ても低水準です。特に女性が少ない理工系分野において、女性の割合が増え、いきいきと活動するために、環境学会ならではの重要な貢献をしたいと考えています。

 

「みーず計画」について

「みーず」という名称は、水(みず)とギリシャ神話の女神「ミューズMUSE」、そして少し強引ですが、自ら(主体性)をかけあわせた造語です。水環境の分野でまだまだ少ない女性が元気に活躍できるための活動を行う目的で始めました 。

平成27年度

女子中高生夏の学校2015

 今年も、87日に国立女性教育会館で開催された「女子中高生夏の学校2015」の「サイエンスアドベンチャーT〜ミニ科学者になろう」という実験・実習プログラムに参加しました。これは、16の学会や学校が実験・実習を企画し、女子中高生がその中から1つを選んで参加するプログラムです。

 当学会は「川を科学する」という題目で、会場近くの都幾川・学校橋河原で水環境健全性指標のフィールドワークを行いました。学会員2名と女子学生2名で、河川水の透視度測定や、パックテストを使ったCOD、溶存酸素量の測定等について、実習生に指導しました。実習生は中学生2名、高校生5名の計7名で、長崎県や香川県、神奈川県などからの参加でした。

当日は埼玉(熊谷市)で最高気温38℃となり、猛烈な暑さの中の実習となりました。あまりの暑さのためか、昨年は河畔林に見られた鳥が全く見られませんでした。しかし、川底の生きもの調査では、ヒラタカゲロウ、ヒゲナガカワトビケラ、プラナリア等がたくさん採取でき、実習生は大喜びでした。5つの指標に基づくレーダーチャートを2班に分けて作成したところ、いずれもほぼ満点になりました。実習場所の都幾川は、BODの年平均値が1未満で、河床が石礫であることから、市街地にありながらきわめて多くの生物が生息する素晴らしい川です。これからも、この素晴らしいフィールドを活用して、少しでも多くの実習生に、川への興味を持ってもらえればと思います。

 

平成26年度

・女子中高生夏の学校2014

昨年に引き続き、「女子中高生夏の学校2014」に参加しました。今年は「サイエンスアドベンチャーT〜ミニ科学者になろう」という実験・実習プログラムを行いました。16の学会や学校が実験・実習を企画し、女子中高生がその中から1つを選んで参加します。

 当学会は「身近な川の水環境を調べよう」という題目で、会場近くの都幾川・学校橋河原で水環境健全性指標のフィールドワークを行いました。学会員3名と女子学生2名とで、河川水の透視度測定や、パックテストを使ったCOD、溶存酸素量の測定等について、実習生に指導しました。実習生は全員中学3年生で、初めての水健全性指標を使った調査に、一生懸命取り組んでいました。川底の生きもの調査では、ヒラタカゲロウやプラナリア等がたくさん採取でき、特にプラナリアは実習生全員が「初めて本物を見た」と大喜びでした。5つの指標に基づくレーダーチャートは、どの実習生もほぼ満点の大きな5角形になりました。鳥や魚の生息、ごみの有無などについてもよく観察していて、とても感心しました。この実習をきっかけに、地元の川にも興味を持ってくれればうれしいです。

 

尚、この様子が国立女性教育会館による夏学の報告にも報告がアップされています。

 

平成25年度

市民活動部会のなかに「みーず計画」チームをつくり、「走りながら考える」方式事業を実施しています。

進行中

セミナー:平成26年3月の東北大学で開催される年会において、東北支部、関東支部及び年会実行委員会の共同で「水環境分野で働く女性たち」とランチタイム(仮題)を企画しています。学会参加女子学生約40人を対象に、1日目(3/17、月)の1220133070分枠で実施する予定です。水環境分野で働き、活躍する女性たちと交流し、科学技術に関心のある仲間や先輩と知り合うための機会として設定しています。科学者、技術者、大学生が対話・交流することにより、主に女性の学生さんの将来の進路選択の一助となればと期待しています。

 

終了事業

・水環境学会誌 Vol.36ANo.10 2013 【特集】水環境分野で働く女性たち

 編集委員会に提案したところ採用されて、本特集号につながりました。執筆者は巻頭言を含めて全員女性です。皆さん全員が、子育てなどの家庭生活も含めて、仕事について正直にかつ真摯な態度で、ユーモアを交えて書いていただいています。勇気のでる特集です。学生会員の皆さんにとって,本特集が将来の進路選択の一助となればと思って企画しました。

 

・女子中高生夏の学校2013

 

「女子中高生夏の学校2013」に日本水環境学会として初めて参加しました。参加した分野は「サイエンスアドベンチャーV〜科学・技術者と話そう」です。ここでは、34の学会、学校、企業等によるポスター展示を行い、女子中高生がグループで好きなブースを訪れて、活動をしたり対話をしたりするものです。

大学で水環境を学んでいる女子学生3人と水仕事に関わってきた女性3人の計6人が待ちかまえました。

 テーマを「“水”に関わる仕事を発見! 水環境を守る仕事について一緒に考えましょう!!」とし、参加型の展示としました。話のきっかけは多摩川の泡の写真です。様々な取組の結果、多摩川ではアユが大量に遡上するようになったことをつたえ、「さて川の水質改善に誰が、どのような仕事・活動をしたのかな?」と水を向けました。その後、女子学生3人が今大学で学んでいることを紹介しました。

それから、「水に関わる仕事」をポストイットに書いて、パネルに貼ってもらいました。初めての参加でしたが、女子中高生から好評で受け入れられたほか、参加した他団体からも評価されています。

 

女子中高生夏の学校とは

独立行政法人科学技術振興機構の委託により、国立女性教育会館が主催する、日本学術会議「科学と社会委員会 科学力増進分科会」「科学者委員会 男女共同参画分科会」との共催事業。女子中高生が科学技術の世界の楽しさを「体験する」、そこで生き生きと活躍する女性たちと「交流する」、科学技術に関心のある仲間や先輩と「知り合う」ための機会として設定された23日のプログラム。対象は女子中高生、また、あわせて、保護者、教員向けプログラムも実施。科学者・技術者、理工系大学生との対話、交流を通して科学・技術の分野に自分の新しい可能性を見いだすことをねらいとした、合宿形式の体験型サイエンスプログラム。

http://www.nwec.jp/jp/program/invite/2013/page02.html (国立女性教育会館サイト)

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平成24年度

 

@平成23年度に実施したみーず計画試行事業について、生徒のふりかえりシート記述の内容分析を行いました。試行事業及び分析結果を学会等で報告しました。

 

【第15回千葉県環境教育研究会発表会】

 201332日(土)千葉大学西千葉キャンパス(けやき会館 第4会議室)

日本水環境学会関東支部「みーず計画」試行事業についてU−自由記述解析による事業評価− 

○大塚佳臣, 辻清美,下田美里,三島聡子,小川かほる(日本水環境学会関東支部)

 

【第47回日本水環境学会年会】

2013313日(水)大阪工業大学大宮キャンパス

女子高校生と女性技術者・研究者との対話 T−日本水環境学会関東支部「みーず計画」試行事業−

○千葉県環研セ 小川かほる,神奈川衛研 辻清美,群馬県県土整備部 下田美里,神奈川県環科セ 三島聡子,東洋大 大塚佳臣

 

女子高校生と女性技術者・研究者との対話 U−自由記述解析による事業評価−

  東洋大 大塚佳臣,○神奈川衛研 辻清美,群馬県県土整備部 下田美里,神奈川県環科セ 三島聡子,千葉県環研セ 小川かほる

 

Aみーず計画について、学校(トキワ松学園中学校高等学校、千葉県立千葉女子高等学校)を訪問し、説明を行いました。

 

B学会誌特集号に、女性執筆者からなる特集の提案を行い、201310月号に採用されました。

 

【第47回日本水環境学会年会 支部活動報告】

 支部活動を紹介するパネル展示を行いました。


 

 

平成23年度

 

平成23年度女子中高生の理系進路選択支援事業に応募し不採択となった事業ですが、学会の社会貢献としても実施すべきとの賛同を得て、関東支部として試行事業を実施しました。

水に関係した仕事をしている女性の職業人(以下、水仕事人)と女子生徒との対話を事業の柱としました。

 

対象学校:文京学院大学女子高等学校(東京都文京区本駒込)

対象生徒:理数クラス1年生2クラス55

実施日:20111210日(土)第3時限目・第4時限目

参加者:水仕事人10人、女子大学生・大学院生 4

 

この事業の結果から、事業内容を以下の通り見直すことができました。

○水仕事人と生徒との少人数の対話は事業の柱として継続する。

@ 水環境と水仕事のガイダンスを実施。

生徒は水環境および水環境に関連する仕事についてほとんど情報がないということがわかった。水仕事人がそれぞれその仕事を紹介する前に、水環境と水仕事の総括的なガイダンスを行い、水仕事人の仕事についてストーリー(物語性)を持たせてわかりやすく紹介する。

 

A 水仕事人の講演内容を充実

 水仕事人の事前打ち合わせを実施し、紹介する内容について、モレ・ダブリがないように調整する。また、現在の仕事ではなくても、これまでに関わった興味深い仕事やビッグプロジェクトなど、夢を持てるような仕事を紹介する。

 

B 水環境の現場を体験する。

 

この事業の見直し結果をもとに、平成24年度女子中高生の理系進路選択支援事業に応募しましたが不採択でした。また、試行事業を学会等で報告しました。

【第14回千葉県環境教育研究会発表会】

 201233日(土)千葉大学西千葉キャンパス(けやき会館 レセプションホール)

日本水環境学会関東支部「みーず計画」試行事業について

○小川かほる、辻清美、下田美里(日本水環境学会関東支部)


 

 

平成22年度

 

科学技術振興機構が実施する女子中高生の理系進路選択支援事業に関して、水環境学会の支部連携事業として関東支部が中心となって企画応募しましたが、不採択でした。